スパイスは、カレーやエスニック料理に欠かせない風味付けの素材ですが、それだけではありません。スパイスには、それぞれにさまざまな効能や効果があり、美容や健康にも役立つ天然の薬とも言えるものなのです。

世界には100種類以上ものスパイスがあると言われていますが、今回はその中から代表的な7種類のスパイスをご紹介します。それぞれのスパイスが持つ特徴や効能、そしておすすめの使い方を知って、日々の料理に取り入れてみましょう。

ターメリック～抗酸化作用と美肌効果～

ターメリックは、「ウコン」とも呼ばれ、カレーの着色材料としてよく使われます。ターメリックに含まれる「クルクミン」という成分が肝機能を活性化させるのでコレストロール値の低下が期待されます。また、抗酸化作用にも優れているので、美肌効果にも期待が持てます。さらに、アルツハイマー病の予防にも効果があると言われています。

ターメリックは、カレー以外にもチキンや豆腐などに振りかけたり、牛乳やヨーグルトと混ぜて飲んだりするとおいしく摂取できます。ただし、過剰摂取は胃腸障害やアレルギー反応を引き起こす可能性があるので注意してください。

シナモン～血行促進とアンチエイジング～

シナモンは、シナモンティーとしてもよく飲まれていますが、もともとは生薬や漢方として使われていました。シナモンには体を温める効果が大きく、血液循環が良くなることで美肌効果や冷え性・むくみなどの防止にも役立ちます。また、高い抗酸化作用を持ち、毛細血管の傷を修復してくれる効果もあるので、肌の代謝が高くなりアンチエイジングの効果にも期待できます。

シナモンは、お菓子やパンなどによく使われていますが、コーヒーや紅茶に入れたり、カレーやシチューなどに少量加えたりすると風味が増します。ただし、過剰摂取は肝臓障害や出血傾向を引き起こす可能性があるので注意してください。

レッドペッパー～代謝アップと痩せやすい身体作り～

レッドペッパーは唐辛子の種を原料とし、刺激的な辛味が特徴です。レッドペッパーに含まれる辛味成分である「カプサイシン」は体脂肪を燃焼させて身体を温めることから代謝アップを促進し痩せやすく太りにくい身体作りに役立ちます。また唐辛子はビタミンAやビタミンCなどのビタミン類を豊富に含むので活性化酸素の増加を抑える働きや抗酸化作用があります。さらに皮脂の分泌を調整する働きがあるので肌をキレイにする効果も期待できます。

レッドペッパーはカレーやチリコンカルネなど辛い料理によく合いますが辛さが苦手な人は少量から始めましょう。また胃腸障害や高血圧など持っている人は摂取量に注意してください。

クローブ～整腸作用と歯痛抑制～

クローブはほんのり甘くて渋みのある個性的な香りが特徴です。別名“丁子”で漢方薬の原料にもなります。クローブには腸にたまったガスを排出しやすくする効果があり腸内環境を整える重要なスパイスです。またクローブに含まれる精油成分「オイゲノール」には抗酸化作用があり酸化や老化防止にも役立ちます。

クローブは歯痛止めとして有名です。歯茎から出血した場合や虫歯で歯茎が炎症を起こした場合クローブオイルを塗布することで消毒・殺菌・鎮痛・消炎作用があります。

クローブはカレーやシチューなど濃厚な料理によく合いますが香りが強いため少量から始めましょう。

カルダモン～疲労回復と消化促進～

カルダモンは緑色のさやに入っておりさわやかな香りが特徴です。チャイにも欠かせないスパイスです。カルダモンは消化液分泌量を増加させ胃腸機能を高め消化促進・整腸作用・食欲増進・胃弱改善・胃炎予防・胃潰瘍予防・口臭予防・吐き気止め・下痢止め・便秘解消・風邪予防・咳止め・気管支喘息改善・頭痛改善などの効果があると言われています。また、カルダモンに含まれる成分には抗酸化作用や抗炎症作用があり、老化防止や免疫力向上にも役立ちます。さらに、カルダモンの香りにはリラックス効果や利尿作用があり、ストレスやむくみの解消にも効果的です 。

カルダモンは、チャイやコーヒーに入れたり、カレーやビリヤニなどの料理に使ったりするとおいしく摂取できます。ただし、過剰摂取は胃腸障害やアレルギー反応を引き起こす可能性があるので注意してください。

クミン～血液サラサラとデトックス～

クミンは、カレーの香りをつける代表的なスパイスです。クミンに含まれる「クミノール」という成分が血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や高血圧の予防に役立ちます。また、クミンは肝臓の働きを高めることで体内の毒素を排出しやすくするデトックス効果もあります。さらに、クミンには鉄分が豊富に含まれているので、貧血の改善や免疫力向上にも効果が期待できます。

クミンは、カレーやチリコンカルネなどの料理に使うほか、水や牛乳と混ぜて飲んだり、サラダやスープに振りかけたりするとおいしく摂取できます。ただし、過剰摂取は胃腸障害やアレルギー反応を引き起こす可能性があるので注意してください。

ナツメグ～眠気覚ましと精神安定～

ナツメグは、ナツメグの木の種子から作られるスパイスです。ナツメグに含まれる「マイリスチシン」という成分が中枢神経を刺激することで眠気を覚ましやすくする効果があります。また、ナツメグは精神安定作用もあり、不安やストレスを和らげる効果が期待できます。さらに、ナツメグには抗菌作用や抗酸化作用もあり、口内炎や歯周病の予防や老化防止にも役立ちます。

ナツメグは、お菓子やパンなどの甘い料理によく使われていますが、コーヒーや紅茶に入れたり、チーズ料理やポテト料理などに少量加えたりすると風味が増します。ただし、過剰摂取は幻覚作用や中毒症状を引き起こす可能性があるので注意してください。

まとめ

スパイスは、料理に風味や色をつけるだけでなく、美容や健康にも様々な効果や効能があります。今回は、ターメリック、シナモン、レッドペッパー、クローブ、カルダモン、クミン、ナツメグの7種類のスパイスをご紹介しました。それぞれのスパイスが持つ特徴や効果、そしておすすめの使い方を知って、日々の料理に取り入れてみましょう。ただし、過剰摂取は副作用や中毒症状を引き起こす可能性があるので注意してください。スパイスは、適量を摂ることが大切です。スパイスの魅惑にひたって、美味しく楽しく健康的な生活を送りましょう。